(これは私がまだネットビジネスを始めた頃のお話です)
当時、システムエンジニアをしていましたが、システムエンジニアの仕事は本当にハードで残業も多く、家に帰れない日も多々あり、過重労働を強いられていました。目まいがするので医者に行くとVDT症候群と診断され、いわゆる過労で過労死も見えていました。
そんな中で、石井貴士氏が提唱していた『幸せにプチリタイヤする方法』という方法に惹かれプチリタイヤしたいと思うようになりました。
石井貴士氏のメルマガでは、会社を辞めることをすすめていたこともあり、過重労働から逃れたいのも相まって会社を辞めました。
会社を辞めるときには、あまりにも働きすぎて、燃え尽き症候群(バーンアウト)を起こしていて、会社を辞めたこと自体は正解だったと思います。
ただ、辞めたあとのことをしっかり考えずに辞めたのは失敗でした。辞めた後は、健康保険や年金などを自分で支払わなければならず、お金が結構かかるんです。
貯金はある程度あったのですが、いろいろな支払いや旅行代金などでほとんど飛んでいきました。会社を辞めるときは計画的に辞めないとお金のやりくりが大変なのは覚えておいたほうがいいです。ここでは、プチリタイヤの話なので、この話はここまでとします。
プチリタイヤとは?
プチリタイヤ(通称:プチリタ)とは、石井貴士氏が提唱するインターネットを使った仕組みのことで、「何もしないで月50万円の収入があり、自由な時間を手に入れている状態」のことを指します。燃え尽きた私には、夢のような仕組みで憧れていました。
プチリタイヤについて知りたいならば書籍が出ているので読んでみてください。
詳細は本を読んでもらえばわかりますが、簡潔に言うと商品(商材)を自分で作って、それをインターネットで売る仕組みを作っていきます。そして、すべてを外注して自動化することによって、何もしなくても勝手に売れる仕組みを作ります。
わかりやすく言えば、インターネット上に自動販売機を設置するようなものです。何もしないと言ってもメールチェックくらいはしないといけません。売る商品(商材)は、物品(モノ)でも情報(コンテンツ)でも可能です。
現在は、BASEやnoteなどのさまざまなプラットホームがあるので、それを利用すれば仕組みを作ることができますが、当時はなかったので事務代行業者や料金代引きサービスを使って、自動化するというものでした。
プチリタセミナーに参加してみた
本気でプチリタイヤしたいと思ったので、石井貴士氏の主催するセミナーに何度も足を運びました。セミナー後の懇親会にも参加したこともあります。そこには、同じようにプチリタをしようとする仲間たちもいました。
しかし、その仲間の人たちに違和感しか感じませんでした。どうしても、なじめない自分がいました。そして、石井貴士氏と懇親会でとなりの席になったりしたこともありましたが、めちゃくちゃ違和感しか感じられませんでした。
もともとサラリーマンとして働いていた自分には、起業家を目指す人々とは、水と油でその価値観がどうしても合わなかったのです。
しかし、このときはプチリタしたい一心で、無理してでもセミナーに参加していましたが、今思えばすぐにやめとけばよかったなと思います。
プチリタセミナーの中には異業種交流会みたいなのもありましたが、もっとなじめず、そこにいることが苦痛でしかありませんでした。
今から思えば、本当に合っていなかったんだなと思いますが、成功するためにがんばって参加していました。
マインドセットが大切なのか?
石井貴士氏はとにかくマインドセットが大切と常日頃から言っていました。とにかくマインドセットを学べば成功できると!・・・これは、ネットビジネスあるあるなのですが、本当の稼げるノウハウは有料で販売するため無料のメルマガやブログなどでのネタとして、マインドセットは都合がいいわけです。マインドセットを通して読者を教育して、自社商品の購入に結びつけていくわけですね。
しかし、多くの成功者はマインドセットが大切と言います。これは、本当であり、嘘でもあります。優秀な成功者は、マインドセットからビジネスアイディアへ変換をする能力に長けており、マインドセットからビジネスを展開する能力があります。
一方で、私のような凡人以下のビジネスセンスのない人間は、マインドセットを学んでもそれをビジネスアイディアに変換できません。むしろ、マインドセット発信者の都合のいいように教育され、情報商材を買わされるだけの鴨になるだけです。
しかし、当時の私は、なまじっか能力があると過信していたので、言われたとおり素直にマインドセットを学んでいれば、プチリタして成功できると妄信していました。しかし、これがノウハウコレクターへの道に突き進んでいく遠因となります。
成功するには素直さが大事?
マインドセットの中に「素直な人は成功する」というのがあります。確かにノウハウを我流のやり方を入れてやってしまうと失敗してしまうこともあるので、ある意味本当です。
しかし、この素直さというのが曲者で、馬鹿正直に素直になると、情報(ノウハウ)販売者の言いなりになり、ノウハウコレクターになる原因となります。
当時の私も、マインドセットを妄信していて、素直になることが成功者の資質だと思っていたので、素直に情報商材(教材)を買ったり、マインドセットばかり勉強していましたが、インプットばかりでアウトプットしていなかったので、当然結果が出るわけがありません。
情報商材や本から、マインドセットや自己啓発ばかりを学んでいましたが、全く意味がないわけではないんでしょうが、稼ぎには全く結びつきませんでした。お金を稼ぐためには、稼ぐことにフォーカスして集中しなければなりません。
プチリタの情報商材を購入する
プチリタを目指すにあたって、プチリタの情報商材をいくつか購入しました。購入した情報商材を紹介していきます。
プチリタ ゴールドコース
プチリタ ゴールドコースは、プチリタの書籍版をさらに深掘りした動画教材でした。プチリタは物販もできましたが、メインは情報販売で自分で商品を作って、PPC広告を出して売っていくというものです。今では、そこまで真新しいものではありませんが、当時は画期的なビジネスモデルでした。
この教材は、プチリタの主力の情報商材だけあって、買ってよかったとは思いましたが、そもそもこのビジネスモデルは自分に合っていないということに気づけていませんでした。それについて後ほど後述します。価格も97,000円と決して安くはなく、負債として残ることになります。
夢実現パッケージ
プチリタ教材(情報商材)の中で1番最初に購入しました。価格も88,000円とゴールドコースよりは安いですが、やはり高額でした。当時は、素直に一生懸命、教材DVDを見て勉強しましたが、今思えば買うんじゃなかったなと反省しています。
当時、石井貴士氏の夢を添削するセミナーなんかにも参加しました。そこで、自分の夢を書いて、石井貴士氏に評価してもらうんですが、自分の書いた夢をダメだしされるんですよね。で、こういう夢を持ちなさいって指導されるんです。
夢実現パッケージもこういう夢を持ちなさいと、懇々と教育されるのですが、今思えば、自分にとっては全く魅力を感じない、やりたいとも思わない夢を無理矢理作らされて、本当にやりたいことはダメだしされて、萎えるだけでした。
夢を具体的に持つという部分はよかったですが、夢や目標なんて自分で考えて決めることで、自分が本当にやりたいことを設定するべきです。他人に夢をこうあるべきと決めつけられるものではありません。馬鹿正直に取り組んでいましたが、早く気づくべきでした。
モチベーションアップパッケージ
プチリタを目指していたのですが、全然モチベーションが上がらず、作業は停滞するばかりではかどりません。そんな声を石井貴士氏はくみとって、モチベーションを上げる情報商材を販売しました。当時の私は、これだと思いすぐに購入しました。
価格は、29,800円とほかの教材に比べれば、低価格でしたが決して安くはありません。ただ、これを学習することで、モチベーションが上がればプチリタを実行できると思っていましたが、その考えは甘く、一時的にはモチベーションが上がってもすぐに萎えてしまっていました。
そもそもプチリタするための作業がはかどらない原因が、このビジネスモデルが自分には合っていないことに気づけていないことが1番の原因だったので、いくらがんばろうとしても苦痛でしょうがなく、全く作業が進まないことがわかっていませんでした。
プチリタ ホームスタディコース
月々8,200円でプチリタの思考をインストールできるということで、お手頃価格で毎月勉強できるとはすばらしいと思い、月額課金のコースに申し込みました。結局、26巻まで月々購入しましたが、もっと早くやめとけばよかったなと後悔しています。
また、石井貴士氏は、ところどころでスピリチュアルを使ってビジネスをしており、教材の中でもスピリチュアルな話がたびたびでてきます。そのため、私もスピリチュアルにはまっていきます。これが、後に自分の人生を狂わせることになるんですが。スピリチュアルについてはまた別記事で書きます。
このホームスタディコースは、石井貴士氏が温泉などに行って突如思いついたアイディアなんかを紹介してくれるわけですが、そんなただ適当に思いついだけの方法を実践したところで、うまくいくわけがなく、ましてやビジネスセンスが皆無の私は、それをうまく活用できるはずもありません。
26巻目でようやく無駄だということに気づきます。この間にトータル213,200円もつぎ込んでおり、負債となって残ります。
そのほかの情報商材
そのほかにも石井貴士氏作成の教材(情報商材)はありましたが、べらぼうに高額なので手が出ませんでした。1番高額だったのが、占いの教材で確か98万円くらいしてましたが、お金が足りないので買えませんでしたが、さすがにこれは買ったら無駄だと思いました。
しかし、これを買う人がいたのは驚きでした。石井貴士氏の占いキャリアは当時はとても浅く、98万円も出すなら本当によく当たる実績のある占い師に学ぶべきだと思いました。しかし、これを売っていた石井貴士氏のセールス能力の高さはすごいなと羨ましかったのを覚えています。
痛恨の情報販売が苦手
プチリタするには、自分の商品を作る必要があります。私がプチリタでつまづいた1番の工程が、『自分の商品を作る』という部分でした。まず、物販をするにしても売りたいものがなかったですし、何が売れるのかもわかりませんでした。また、商品を作る方法もわかりませんでした。
なので、必然的に情報販売をするという方向に向かいました。しかし、何かしらのノウハウをマニュアル化しなければならなかったわけですが、アイディアを絞り出すものの、それが売れるという確信が持てず、二の足を踏んでいました。
石井貴士氏に、「中学生のときにやりたかったことを売ればいい」とアドバイスされましたが、全くピンときませんでした。私が中学生のときにやりたかったのは、パソコン関係の仕事に就きたいというもので、すでにシステムエンジニアになっていたので、目標は達成されていました。
ただ、言い換えればパソコン関係の情報を売ればいいということになりますが、自分の中でアイディアはあったものの、当時、システムエンジニアが嫌で嫌で辞めたのに、そのときの情報をまとめるのが苦痛で仕方なかったのです。また、作った情報が本当に売れるのか確証がないものを作る気になれませんでした。
自分で作れないのであれば、他人に作ってもらうという方法もありましたが、いちいち取材するのも面倒ですしうまくできるか不安があり、また、当時はとにかく無料でビジネスをしようとしていたので、謝礼を払うことに抵抗がありました。ビジネスをするのに初期投資もできない全く起業家に向いていない人間でした。
そんな折に、アフィリエイトをしてプチリタしている人がいるという事例を耳にして、自分で商品を持たなくてもよいことを知りますが、石井貴士氏は、アフィリエイトはするべきではなく、自分の商品を持つべきだと主張していたので、真に受けてアフィリエイトから遠ざかります。
その結果として、アフィリエイトでたくさんの稼いでいる人がどんどん出る中、私は出遅れることになってしまいます。本格的にアフィリエイトに着手するのが、かなり後の話になります。
悲劇!億万長者を目指し始める
プチリタをするべく、情報販売を目指していましたが、ある時から石井貴士氏は、プチリタで億万長者を目指そうと言い始めます。私も、馬鹿正直に真に受けてプチリタモデルで億万長者を目指し始めます。これが、今後のネットビジネスで全く稼げず、ノウハウコレクターに突き進む原因となります。
「億万長者になるのは簡単だ」という言葉に踊らされ、億万長者になるための勉強を始めます。億万長者になるための勉強を始め、どんどん迷走して迷宮に迷いこんでしまいます。
プチリタを断念する
結局、石井貴士氏のアドバイスが全くピンとこず、情報販売も苦手なので苦痛でしかなく、プチリタから自然と遠ざかっていき、挫折しました。今回の失敗点を列挙しました。
- 師匠(メンター)の設定を間違えた
- ビジネスモデル(情報販売)が合わない・苦手
- 目標が大きすぎる(億万長者を目指した)
- インプットばかりでアウトプットしない
- マインドセットばかり学ぶ
- 素直ではなく馬鹿正直だった
師匠(メンター)として石井貴士氏を設定しましたが、残念ながら自分には全く合わなかったです。ただ、石井貴士氏自身は、実際にプチリタを実現しており、裏ではものすごい努力をしていて、億万長者にもなった実力者です。思いつきのアイディアでも行動して具体化して実現させる敏腕経営者でした。
私は、表面上のポジショントークの「プチリタは簡単だ」などの甘い言葉ばかりを信じ、本当の石井貴士氏の影の努力の部分に気づかず、お花畑をスキップ状態で現実を見ずに、ノウハウコレクターと化していました。しかし、当時の私は、自分はできると過信していて、そうであるとは気づいていませんでした。
まとめ
最後に繰り返し言っておきますが、石井貴士氏自身はビジネスセンスの高い優秀な努力家で実力者です。一方で、私はなまじっか過信しているビジネスセンスのない凡人以下の人間です。実力のない人間が、ネットビジネスで億を目指すとノウハウコレクターになり迷走します。
プチリタを含めネットビジネスはリスクは極めて小さいですが、簡単ではありません。ネットビジネスを成功させるには、努力や積み上げが必要です。なので、インプットよりアウトプットを増やし、作業を習慣化することが大切です。
また、ネットビジネスを継続するためには、そのビジネスモデルが自分に合っているか?が重要です。そのビジネス(作業)をしていて楽しいかまたは充実しているかという部分も重要です。まずは、今やっていることが自分に合っているか確かめてみましょう。