過去記事を見てもらえればわかりますが、過去に私はFXシステムトレードを含めた自動売買でコテンパンにやられています。
このため、完全に裁量トレードにシフトしていたのですが、どうしても自分の作業時間(トレード時間)は本業の労働時間や雑用を除いた帰宅後と休日の時間に限られてしまいます。
やはり自分の代わりに働いてくれるシステムトレードは魅力的で、なんとか半自動販売機のような収入をゲットしたいという思いはずっと根底にありました。
あるきっかけからもう一度システムトレードによる自動売買に挑戦することにしました。
しかし、前回とは違うのは、これまでは自動売買を使って不労所得を得たい、つまり、楽をしたいという甘い考えでした。
しかし、今回は本気で半自動販売機のような副収入を作ることを目的にしていて、楽をしたいからという甘い気持ちはありません。
今回のFX自動売買を再開したきっかけは、BigbossのMASSシステムによる運用を試してみたいという思いからでした。
BigBoss MASS システムとは
FXのブローカーであるBigBossでは、MASSシステムという自動売買システムを使うことができます。
MASSシステムは、コピートレードではありますが、これまでのMAMやPAMとは違って、自分でコピートレードの開始や停止を行うことができます。
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さらにPAMとMAMMと違うところは、ポジションを手動で決済できて、ロットも自分で調整できる点です。
そのため、トレードをコピーできる上に、裁量で手動でも操作できるという、よいとこどりをしたシステムなのです。
実際のMASSシステムの設定画面はこちらになります。
動作設定をオン/オフすればコピートレードを開始したり停止したりできます。基本ロット倍率の設定を変えることで、取引ロットの大きさを調節することもできます。
また、高度な設定では、そのときの残高に応じて自動でロットを調節してくれる機能もあります。
もちろん、MASSシステムを搭載したサーバー上で動作するので、自分のPCを24時間稼働させておく必要はなく、EAをオンにしたらMASSシステムのサーバー上で24時間稼働してくれます。
BigBoss MASS でのEA運用報告
BigBoss MASSシステムで運用するEAは、過去記事でも登場した望月こうせい氏の紹介でT2プロモーションさんから購入しました。
過去記事で書いていますが、望月氏の塾に入らせてもらったのをきっかけに、望月氏の提供するサービスを利用させていただくようになりました。
T2プロモーションさんは、トレーダーから依頼されたEAを作る会社で、これまでに作成してきた自動売買EAの中で優秀なEAを特別に使用できるというオファーに申し込みました。
EA5の運用成績
初めて購入したMASSシステムのEAの名称は『EA5』と言います。特にEAとしての名前がないため番号をふっただけのシンプルな名称のEAです。
EA5は、当初平均月利30%余りの驚異的なバックテストの成績を叩き出したEAで、単月ではマイナスを出す月もありましたが、年間トータルで見ると高いパフォーマンスを記録しました。
当時、T2プロモーションさんが、EA5よりも以前に販売していたEAがしっかり利益を出していたという実績をあったので、今回のEA5に期待したことと、BigBossのMASSシステムを使ってみたいという思いから購入する決断をしました。
EA5は、6通貨ペア1分足と5分足でトレードするEAでした。
過去8年間のバックテストで平均月利30%余りを叩き出し、月によっては80%越えという驚異的な数字を記録しています。
ただ、単月で見るとマイナスになっている月も年に2回程度あり、長期運用を前提とした年間トータルでプラスにすることを目指したEAになります。
最低運用資金は10万円ですが、期待をこめて30万円から運用を開始しました。
運用を開始した当初はプラスになり好調だったのですが、ゴールデンウィークを境に徐々にマイナスを積み重ねていくようになります。
グラフを見てもらえればわかりますが、次第にマイナスになっていっているのがわかります。
平均月利30%を叩き出した結果は、あくまでもバックテストの結果なので、過去のデータに基づいています。
期間は8年と長期間のバックテストデータにはなりますが、実際にフォワードで運用してみるとダメダメだったという話はよくあることです。
だんだんと資金が減っていくので、なんとかプラスにしようと手動決済をして、裁量で損切りもして試行錯誤しました。
しかし、これが逆効果で実際の成績よりもさらに資金を減らしてしまうという悪循環に陥り、結局、最終的に30万円あった資金を半減させてトレードを終了します。
数ヵ月運用してもEA5の成績が回復することはなく、運用していた一部の人からきついクレームも上がっていました。
ただ、T2プロモーションの担当者さんは逃げずにしっかり対応されている姿勢を見て、もう少しMASSシステムの運用を継続してみることにしました。
過去記事でも書きましたが、私は過去にEAによるコピートレードで大損をしています。そして、販売者がいつの間にか連絡なしに逃げていたことがありました。
そのような苦い経験があるので、T2プロモーションさんは運用成績がマイナスになって失敗していても、逃げずに対応されている姿勢は逆に信頼できると感じました。
EA5で成績が振るわなかったこともあり、T2プロモーションさんのほうから代替のEAとして1世代前のEA4の提供の提案があったので、迷わずすぐに購入しました。
このEA4もBigBossのMASSシステムで稼働するEAになります。
EA4の運用成績
次に購入したMASSシステムを利用したEAは、1世代前のEA4という名称のEAになります。
EA4は、当初EA5と同時並行で運用していたのですが、EA5の成績がふるわないので、ある時期にばっさりEA5は止めて、EA4のみで運用することにしました。
EA4は平均月利8%程度とEA5の30%と比べると少ない利益率です。
しかし、EA5で失敗した教訓から利益率は低くても、運用成績が安定しているEAを採用すべきだと判断しました。
EA4はバックテストの結果はないものの、半年間、実際に運用したフォワードテストのデータがあり、プラスで推移していたので、EA5のような失敗にはなりにくいと考えました。
また、利益率も平均月利8%は、ほかの投資と比較しても一般的に考えて十分に高い数値と言えます。
EA4は8通貨ペアで取引を行い、ナンピンを使ったトレードスタイルになります。
正直、私は過去にナンピンのコピートレードで失敗しているので、使うことにためらいはありました。
ただ、EA4は通常のナンピンではなく、ナンピン幅を自動で調節したり、値動きによって注文をスライドさせます。
相場を分析する高機能なナンピン機能だったので、望月こうせいさんを信頼して使ってみることにしました。
資金はEA5での失敗があったので、リスクを抑える意味で運用最低資金の10万円からのスタートにしました。
EA4は、ナンピンを使用するので一抹の不安はあったものの、運用を開始するとコツコツと資金を増やして順調に資金が増えていきました。
そして、ある日、証拠金を確認したら、いきなり資金が2倍に増えていました!
EA4は、利益を伸ばせるときは利益確定を調整する機能があり、相場の状況によって大きく利益を取る仕様になっています。
これで一気に資金が2倍に増えました。そこで、基本ロット倍率も資金に合わせて上げ、その後もまたコツコツと資金を増やしていきました。
しかし、相場には完璧とか100%は存在しません。その後、1つの通貨ペアで大きな下降トレンドが発生し、ずっと価格が下がり続けました。
EA4は、ナンピン幅を調節したり、利益幅を大きく取ったりしますが、EA4の許容度を超える大きな一方向への値動き、つまり、暴落や暴騰をすると大きな含み損を抱えてしまいます。
あるとき、60%近い含み損を記録したものの、価格が戻り最終的にはプラスで利確したので、ことなきをえましたが、EA4の弱点を垣間見ることとなります。
私は裁量トレードも勉強しているので、大きく価格が一方向へ動いたトレンドの後は、価格が大きく戻る確率が高いことを知っています。
含み損が大きくなってもポジションを保有し続けて耐えましたが、運用している人の中には精神的に耐えられず、損切りした人もいたようです。
ただ、そう何度も暴落や暴騰は起きないだろうと、そのまま運用を続けていたのですが、1ヵ月後に再びキウイドルで暴落が発生してしまいます。
結果、どんどん含み損はふくらんでいき、運営側が設定していた推奨のロット倍率で計算したとき、含み損が資金の90%までに上がる状態になりました。
私は、資金に対してロット倍率を低めに設定していたので、含み損に耐えきれました。
しかし、強気にロット倍率を上げていた運用者は強制ロスカットで資金が飛んで破綻したのではないかと推測されます。
さすがに、資金の90%の含み損から回復するのは、厳しいかなとは思ったのですが、BigBossはゼロカットシステムを採用しているのでマイナスにはならないこと、大きなトレンドが起きた後は価格が大きく戻ることがわかっていたので、最悪、強制ロスカットになる覚悟を決めて放置して待ちました。
1週間程度待っていたら、しだいに価格が戻り始め、最終的には再びプラスに転じ、利確して終了することになり、ホッと安堵することができました。
ただ、含み損を抱えすぎるとさすがに精神的にきついです。
今回は、なんとか価格が戻り利益確定できましたが、相場に絶対はないので、いつか価格が戻らないということがありえます。
たとえ、イレギュラーな相場であったとしても、含み損が推奨の資金量で90%まで増えるのは、危険すぎるので、これをもってEA4の運用を止めることにしました。
最終的な損益
EA5では30万円が半減し15万円になり運用を中止しました。
その代わりに運用したEA4では、最終的には資金が3倍になり10万円が30万円になり、EA5の損失をカバーした上に5万円程度利益を残してくれました。
最終的にはトレードベースではプラスに終わり成功と言えますが、ただEAの購入費用を考慮しておらず、EAの購入費用も含めると最終的には損益はマイナスになります。
EA4は、ナンピンの弱点であるボラティリティが想定以上に大きくなると含み損が大きくなるという弱点はあるものの、ナンピンを使うEAとしては十分に優秀で、通常の相場では十分に力を発揮してくれるEAでした。
EAの自動売買をする上で、大切なことは大きな含み損を抱えたからといって、すぐに損切りしてはいけないという教訓を得ました。
もちろん、裁量トレードの理論として裏付けがあることが前提です。
含み損があると精神的に居心地も悪く、神経をすり減らしてしまいますが、それでも、覚悟を決めて一定期間は耐えることが大切です。
そのうちに価格が戻る場合があるからです。そして、なるべくなら手動決済は基本的に控えるようにしたほうが結果としてよいケースが経験的には多いです。
T2プロモーションの担当者さんは、結果が悪くても逃げずにしっかりサポートしたり、経済指標やアラームを流して注意喚起をしたりと、しっかり対応していただき感謝しています。
ただ、投資は結果がすべてです。
優秀なEAであるという1つの目安としては、元本回収できるか?というのが目安になります。そういう意味では元本回収できないEAは使いものになりません。
初めて購入したMASSシステムのEA5のほうは、その後もパラメーターの最適化が行われましたが、結局全く結果が振るわず、正直に言うと完全な失敗作でした。
EA4はトレール機能や変速マーチンを搭載しています。
ボラティリティが適正な範囲内の相場であれば、十分に利益を出せる優秀なEAではありますし、トレール機能で大きく利益を取れるのは魅力でもあります。
しかし、投資に絶対はありません。大きなトレンド相場で強制ロスカットになる恐れがあるので、EA4は一旦復活させずに封印することにしました。
ただ、EA4は、BigbossのMASS口座(1ロット10万通貨)ではなく、XMのマイクロ口座(1ロット1000通貨)のような小額から取引できる口座のほうが使い勝手がよいと分析しました。
EA4を停止した後はどうなったのか?
EA4が大きな含み損を2回抱えた時点で、いつか大きなトレンドが発生し、戻らない相場に直面したときに強制ロスカットになる可能性があると判断し、私はEA4の使用を止めました。
その後もほかの運用者はトレードを続けていました。
そして、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、ドル円が10円以上も暴落する極めて大きなトレンドが発生しました。
そのとき、BigBoss MASSシステムで運用していたEA4は、運悪くドル円で逆方向にポジションを持ってしまい、一方向へ価格が大きく変動したために、強制ロスカットで資金が吹き飛んでしまった運用者が続出した模様です。
私が危惧していたことが、こんなにも早く現実になるとは思いませんでした。
戦争相場による急激な大きな変動によって、T2プロモーションさんのEAだけでなく、他社のEAでも強制ロスカットになっている事例が多発している状況でした。
相場が10円以上も一気に動くことを想定して作られているEAは少なく、破綻した自動売買EAが続出した模様です。
T2プロモーションさんの多くのEAでも強制ロスカットが発生した模様で、報告会では強制ロスカットになった運用者から怒り言葉が噴出していました。
私も過去にFX自動売買で資金の90万円を1日にして、吹き飛ばしたことがあるので、怒りたくなる気持ちは痛いほどわかります。
望月氏やT2プロモーションさんの責任も当然ありますが、しかし、投資はあくまでも自己責任です。
もちろん詐欺であれば訴えるべきでしょうが、あくまでも全うなEAで全力を尽くした結果なので、怒りたい気持ちはわかりますが、この結果を受け入れなければなりません。
望月氏は真摯に謝罪をされましたし、T2プロモーションの担当者の方は逃げずに報告会を開いて丁寧に説明し代替案の提案までされました。
私が過去にFX自動売買で90万円吹き飛ばしたときは、主催者はいつの間にか事業譲渡して逃げ、譲渡先は他人事のように事実を淡々と説明して終了でした。
たいていは私のケースのように、訴訟などを恐れて謝罪すらなく、事実を説明して終わり、そのあとのフォローすらありません。
重要なのは、今後どう損失を取り戻していくか?を建設的に考えていくことが大切です。
EAを運用する場合、破綻前提でどう元本回収していくか?というのが重要で、破綻を含めて収支がプラスになるかを確認していく必要があるのです。
今回のMASSシステムの運用で学んだこと
今回のウクライナ情勢に端を発した強制ロスカットから、私自身も多くを学び教訓をえました。
今回学んだ教訓は
- システムトレードによる自動売買は簡単ではない
- 自動売買だからといって相場の知識は必要である
- システムトレードは資金が飛ぶ前提で運用すべし
- 自動売買は監視と分析を怠るな
- 複数通貨ペアでのシステムトレードは逆にリスクを高める
今回学んだ教訓は、次の記事に詳しく書きました。
今回の大きな価格変動は、20年に1度の大変動と言われていますが、このような価格変動による強制ロスカットの多発は、実際には1年に1回から2回くらいで起きています。
そのたびに数十年に1度と報道され、投資家が損をしたという話題が持ち上がります。なので、意外と頻発するので、リスクに対する意識・管理は絶対に必要不可欠です。
大切なのは、自分の大切な資金は人任せにせず、しっかり投資の勉強をして知識を身につけ、自分主体で守って増やしていくという意識です。
Bigboss MASSシステムを運用してみた総括
今回、BigBoss MASSシステムを運用してトータルとしてはプラスで終えられたので、失敗ではなかったと結論づけます。
ただ、EA自体が有料EAなのでEA購入費用分マイナスになってしまいました。
実のところ、EAを有料で販売している上に、ナンピンマーチン型なのでIB報酬も入り、運営側がぼろ儲けするシステムなんです。
※IB報酬とは、紐づけた口座でユーザーがトレードすると取引高に応じて紐づけ元の運営者に報酬が入る仕組みのことを言います。
通常、有料EAというのは、EAを有料で販売して利益を得ている分、ナンピンマーチン型またはナンピン型ではなく、単ポジ系が多く口座縛りがないのがメリットです。
ただ、今回のMASSシステムのEA4に関しては、ナンピンマーチン型なので、EAが損を出しても運営側は儲かっているというシステムになるわけです。
私個人の見解ではビジネスなのでそれが悪いとは思いません。
ただ、EA4は確かに使い方によっては十分に優秀なEAですが、正直、ナンピンマーチン型であれば、IB報酬を提供する代わりに無料で使えるEAがゴロゴロあります。
しかもEA4よりも月利が高く高機能なEAがです。そのため、有料のEA4を使う優位性が正直ないのかなという結論に達してしまいます。
そして、EA5は単ポジ系に近いEAでしたが、こちらは見事にこけてしまった失敗作でした。
BigbossとFX自動売買の相性
次にBigbossというFX会社(ブローカー)についてです。Bigboss自体は歴史のあるライセンスを保有した信頼できるブローカーです。
ただ、FX自動売買をする上では、不向きなブローカーです。
1点目としては小資金でテスト運用を開始できないことです。BigBossの1ロットは10万通貨になり、1000通貨の口座は作れません。
たとえば、XMのマイクロ口座であれば、1ロットの通貨単位は1000通貨なので、少額運用からのEAの運用が可能です。
Bigbossの場合は1000通貨の口座を使えないので、ある程度、大きな資金を用意しないと取引できないというデメリットがあります。
2点目としては、Bigbossのゼロカットシステムの適用範囲が口座単位ではなく、アカウント単位になってしまいました。
複数口座で複数のEAを運用した場合、複数口座間で追証が発生してしまうので、リスクが非常に高くなりました。
そのため、BigbossではFX自動売買で推奨される複数のEAのポートフォリオを組めないという致命的な欠点が存在しているわけです。
※正確には組むことはできますが、追証が発生するリスクがあります。
BigbossでEAを運用する場合、単一口座で単一のEAを運用するのがよいでしょう。
EAは必ず破綻する
FX自動売買を学び続けてわかったことは、EAは必ずいつか破綻するということです。
言い換えれば、破綻しないEAはないということです。
そのため、いきなり手持ち資金を1つのEAに全額投入してはいけません。資金を何分割かして破綻してもすぐに資金を再投入できるようにしておくことが大切です。
そういう意味でも1000通貨単位の口座で、少額から運用できたほうが都合がよいのです。
EAはあくまでもプログラム通りに機械的にトレードを行うので、相場のイレギュラーな動きには、どうしても対応しきれないためです。
そのため、そのEAが元本回収できるか?というのが1つの目安になるわけです。
基本的にFX自動売買の場合は単利で運用するのが原則です。そして、破綻を織り込んで破綻しても利益を残せる運用をすることがポイントになってきます。
以上、ここまでが、Bigboss MASSシステムを使ってみて、EAを運用してみた結果と自分なりに分析した見解でした。みなさんの運用に参考になれば幸いです。
Bigboss MASSシステム自体はとても良いシステムですが、ある程度、資金量がある人向けで、単一のEAの運用に向いているシステムと言えます。
FX取引におけるリスクの説明と警告
FXはリスクのある取引になります。外国為替相場の変動などにより損失が生じる可能性があります。FXの取引をする前に投資の目的、許容できるリスク、過去のご経験など総合的な観点からご検討ください。
また、当ブログで提供している情報は必ずしも利益や効果を保証するものではありませんので、FXの仕組みやリスクを十分ご理解いただいた上、ご自身の責任と判断で取引いただきますようお願いします。