FXは、自分でチャートを見ながら、エントリーポイントでエントリーして、利益確定ポイントや損切りポイントで決済する手動でのトレードするのが基本です。
これを裁量トレードと言います。
一方で、FXのトレードを自分では行わずに、プログラムどおりにコンピュータが自動で売買を行ってくれるトレード方法もあります。
これをシステムトレード(シストレ)と言います。
この記事では、FXのシステムトレード(シストレ)のメリットとデメリットを把握した上で、シストレについて深掘りしていきます。
システムトレード(シストレ)のメリット
自動売買プログラムが、FXトレードを自動で行ってくれるため、自分は設定と監視だけをすればよいという不労所得に近い仕組みを構築することができます。
日本の証券会社のシストレ口座を使うと、監視もきちんとしているところもあり、定期的に状況をチェックする必要はありますが、自分でトレードをする必要がありません。
裁量トレードでは、人間の感情のコントロールが必要で、もっと稼ぎたいという欲や損をするかもしれないという恐怖心と戦わなければいけません。
一方で、システムトレードでは、プログラムが淡々と規則的に正確にトレードを実行してくれるので、トレードに関してはメンタル面を心配する必要がありません。
自動売買プログラムは24時間自動的にトレードしてくれますが、自分自身は24時間ずっと監視する必要はなく、トレードの負担が軽いというのが特徴です。
システムトレード(シストレ)のデメリット
自動売買プログラムは、そのプログラムどおりにしかトレードができません。このため、急激な値動きの変化(ボラティリティが高い)や想定外の値動きには対応できません。
急激な大きな値動きで、大きく相場が動いたとき、裁量トレードであれば、危険な相場と判断して、自分でエントリーをひかえることができますが、システムトレードではプログラムに書かれたとおりにエントリーをするので、エントリーを繰り返し大損失につながる恐れがあります。
戦争や災害などの大きな出来事があったときは、事前にまたは即座に自動売買を手動で停止しなければなりません。
証券会社の専用シストレ口座では、監視してくれていて、自主的に止めてくれる場合もあります。
あと、シストレの場合だと自分のメンタルに関係なくプログラムが機械的にトレードを行う点はよいのですが、含み損が大きくなったとき、破綻する(強制ロスカットで資金ゼロになる)のではないかという恐怖心と戦う必要があり、必ずしもメンタルが安定して安心できるわけではありません。
なので、ある程度含み損が大きくなったときに、お金が減ることの恐怖心から無計画に損切りすると、逆に傷口を広げるケースもあり、破綻しても平気でいられる図太さも必要になります。
逆に言い換えると、EAが破綻しても許容できる資金管理をすることが大切で、ある程度の含み損に耐えられる耐性を養う必要があります。
MT4やMT5でもシステムトレードできる
チャートソフトMT4(メタトレーダー4)やMT5(メタトレーダー5)でもシストレをすることが可能です。
MT4やMT5では、シストレで使う自動売買プログラムのことをEA(エキスパート・アドバイザー)と呼び、EAはMT4やMT5でプログラムを書くことにより自作することもできます。
また、EAはネット上にも公開されており無料でダウンロードできるものもあります。また、有料で販売しているEAもあります。
有料だからといってそれが優秀なEAかといえば、必ずしもそうではありません。EAにはさまざまな種類があり、どのEAを使っても必ずトレードで利益が出せるわけではありません。
そのときの相場との相性もあり、プログラムには得意な相場と不得意な相場があります。
そのため、優秀なEAを選択する必要があるのはもちろんですが、それぞれのEAの弱点を補うために、複数のEAを組み合わて運用したりする場合もあります。複数のEAで運用することをポートフォリオを組むと言います。
MT4やMT5では、EAを過去のチャートでテストをすることができます。これをバックテストと呼びます。これに対して実際の運用でテストすることをフォワードテストと呼びます。
バックテストのデータは、プログラムのパラメータを変更することで結果を最適化することができます。
このため、最適化されて良い結果が出ていても、フォワードテストでは全く結果が伴わない場合があるので、注意が必要です。
バックテストの結果は、あくまでも過去の相場に対してのみ有効であるだけなので、それが未来の実運用でも通用するかはフォワードテストしてみないとわかりません。
そのため、バックテストの結果を盲目的に信用するのは危険で、あくまでも参考データとして捉え、フォワードテストの結果も含めて判断するようにしましょう。
MT4またはMT5は24時間稼働させる必要がある
MT4・MT5上でEAを稼働させるためには、24時間ずっとPCを起動させたままにしなければなりません。
自宅のパソコンを立ち上げたままにしておくのは電気代もかかりますし、万が一、停電が起こった際は止まってしまいます。
このデメリットの解決策として、VPS(バーチャルプライベートサーバー)を利用するという方法があります。
VPSはインターネット上に仮想のデスクトップを構築したもので、VPS上でEAを稼働させておけば、自分のパソコンをずっと立ち上げておく必要がなくなります。
VPSは、停電対策もなされているので、電源が落ちにくい環境で運用されています。ただし、VPSを利用するのは有料で、月額利用料が必要となります。
私が使用しているVPSサーバーはお名前.comデスクトップクラウドです。業界最安値クラスで初期費用無料で24時間365日サポートと運用していて特に問題はありません。
サーバー稼働率99.99%で回線速度も速くサーバーも安定しており、FX自動売買をする際に必要なRDSライセンスも最初から料金に含まれています。
自宅のPCを24時間起動させておくことは現実的ではないので、EAを運用する上では月額利用料を払ってVPSを借りることは必須ですので、必要な経費として認識しておきましょう。
EAは必ず破綻する
少しショッキングなことを申し上げますが、シストレは必ずいつかは破綻つまり強制ロスカットで(ゼロカットシステムを採用している場合)資金がゼロになります。
これはなにを意味するか?というと、EAでのシストレにおいては複利で運用することには適しておらず、基本的には単利で運用すべきであることを意味します。
EAには月利100%以上の爆益型や月利10%以下の堅いEAがあり、月利が上がれば上がるほど、リスクも上がり破綻する確率が上がります。
月利10%以下の破綻しにくい堅いEAで疑似的に複利運用するケースも見られますが、堅いEAでも100%破綻しないということはありえません。
なぜなら、為替の相場では2年から3年の間に急激に変動する相場が発生しており、早い場合では1年以内に暴騰暴落が起こっていて、そのたびにEAの破綻ラッシュが起きています。
それでは、FXのシストレでは資金を増やせないのではないか?と思いますよね。
実際にはFXのシストレで資金を増やしているトレーダーは存在します。どのようにして、FXのシストレで資金を増やしているのか?ポイントを挙げていきます。
全額を1つのシステム(EA)に投入しない
EAを運用する際に全額を1つのEA(ストラテジー)に投入してしまうと、1度破綻してしまうとその時点で資金が枯渇してしまい相場から退場となります。
複数のEAに資金を分散して配置し、前述したとおりポートフォリオを組むことが大切です。組み合わせるEAの種類も異なる通貨ペアで運用するなどロジックを分散させることが重要です。
また、全額を運用に投入するのではなく、資金を残して運用することも大切です。なぜなら、破綻して資金がゼロになったときに、資金を再投入して運用を再開できなくなるからです。
資金の話がでたので補足ですが、シストレに使うお金はあくまでも、余剰資金で行うのが鉄則です。生活費を使ったり、借金をすることは絶対しないでください。
破綻を前提で運用する
破綻して強制ロスカットになって資金がゼロになることを前提にして運用を行います。そのため、必然的に運用は単利での運用となります。
EAが破綻して口座の資金がゼロになったとしても、その前後で元金を回収できてさらにプラスになっていれば、トータルでは資金はプラスになります。
海外の証券会社でゼロカットシステムを採用しているところなら、破綻しても資金がゼロになって終わるので、資金を再入金して再開すればよいだけです。
注意点として、ゼロカットシステムが複数口座にまたがるルールを採用している海外の証券会社があります。
複数口座でEAを運用している場合は、このシステムを採用している場合、破綻したときにほかの口座での損失分を補填しなければならないケースもあるので気をつけてください。
また、日本の証券会社の場合、破綻すると追証で資金がマイナスになる口座が多いので、追加で支払いが発生する場合があり、注意が必要です。
破綻しても資金を再投入して再開し、こまめに資金を出金したり移動して利益を確保しつつ、元金回収してさらに利益を出して破綻額を上回るように運用していきます。
余裕を持った証拠金またはロットで運用する
EAでシストレするときに、各EAには推奨証拠金や推奨ロットが設定されています。もちろん、推奨証拠金や推奨ロットで運用すること自体は可能です。
ただ、あくまでもこれは運用する上で最低ラインの数値が提示されています。
そのため、実際には推奨証拠金の2倍から最低でも1.5倍の証拠金で余裕のある資金量で運用します。証拠金で対応できないときは、ロット数を推奨の2分の1から最低でも4分の3に落として運用します。
こうすることで、獲得利益率は下がりますが、破綻回数を減らすことができるので、より安全に運用できて元本回収しやすくなります。
例外として、月利の低い破綻回数の極端に少ない堅いEAの場合は、推奨証拠金や推奨ロットでの運用をするという判断もありです。
無料で使えるEAはどこで手に入る?
MT4・MT5でのEAのシストレのやり方の概要はおおかたわかりました。で、無料で使えるEAはどこで手に入るのでしょうか?
私が今までに使ってきた無料EAの多くはYoutubeからゲットしてきました。その次に手に入れた場所はX(旧ツイッター)になります。
EAといってもピンからキリまでありますし、全然ダメなものも出回っているので、選別する必要はあります。
使い方しだいで化けるEAもありますし、自分とEAのロジックの相性もあるでしょう。
私の選別の方法については、また別記事で書くかもしれませんが、使ってみたいと思えるEAを選んでゲットしてみてください。
無料でもらえるので、使ってみてダメならすぐ替えればよい話です。
無料で使えるEAを紹介
ここで1つ私から無料で使えるEAを1つ紹介しておきます。ポートフォリオを組む際の候補として、検討してみてください。
そのEAは「EA13Pro」と言います。
証券会社は海外のBigbossを使います。Bigbossは、ゼロカットシステムを採用していますが、前述した複数口座間で損失を補填するので、Bigbossでは複数口座でのEAの稼働には注意が必要です。
ただし、EA13Proは損切り機能を搭載していますので、強制ロスカットになる証拠金維持率よりも前に、損切り機能が発動するので、損切り機能でポジションを全決済してくれます。
運用する通貨ペアは、ユーロドルとドル円の2通貨のハイブリッド型になります。
今までに相場の急変動に遭遇して、損切り機能があるので破綻はしませんが、損切りラインに達することがありましたし、これからも発生することは当然あるでしょう。
一方で、月利は低めの月もありますが、月によっては80%を記録することもあり、爆益を狙えるEAでもあり、元本回収が比較的早い特長もあります。
そのため、証拠金を30万円から50万円用意して、最低ロットで資金量に余裕をもたせて運用することで、損切り回数を減らして元本回収を目指す運用がおすすめです。
もちろん、資金がたくさんある場合は、ロット数を上げて運用できますが、推奨よりは余裕を持たせるロット数で運用ことが肝要です。
利益がでたら、定期的にこまめにbitwalletに出金したり、クリプト口座に資金移動したりして、利益を確保するようにすると損切りによる損失額を減らし利益を残しやすいです。
証券会社の専用シストレ口座も使える
システムトレードは、MT4やMT5のEAを使った自動売買以外にも国内のFX証券会社専用のシストレ口座を使うという方法もあります。
FX証券会社専用のシストレ口座は、予め用意されている複数の自動売買プログラムを選ぶだけでシステムトレードが簡単にできてしまいます。
ただし、MT4やMT5のようにバックテストはできませんので、最初から本番の運用になります。そのかわりに、各自動売買プログラムの詳細な過去データが見られますので、それをもとに選択することができます。
MT4やMT5のときのようにVPSを借りなくても、FX証券会社のサーバー上で動くのでPCをずっと稼働させておく必要がありませんし、無料で使えます。
FX証券会社専用のシストレ口座にはトライオートFX[PR]やみんなのシストレ[PR]などがあります。
ちなみにサービスは終了しましたが、ひまわり証券のエコトレFXを、実際に口座を開設して運用をしたことがあります。
エコトレFXをやってみてわかったことは、証券会社の専用シストレ口座で運用する場合は証拠金を十分に用意しておく必要があるということです。
なぜなら、日本のFX証券会社の場合はレバレッジが最大25倍までなので、ハイレバレッジの海外の証券会社と比べると、多く証拠金を用意しないと取引できないからです。
また、エコトレFXでシストレをするときも、ポートフォリオを組む必要がありました。
1つの自動売買プログラムで運用するのではなく、複数の自動売買プログラムを組み合わせて、お互いの弱点をカバーさせながらトータルで運用する必要がありました。
どうしても、自動売買プログラムには、得意な相場と不得意な相場が存在してしまうので、お互いを補完する必要があったのです。
このため、2つか3つの自動売買プログラムを同時に走らせるので、複数の自動売買プログラム分の証拠金が必要になると、それなりの資金を用意しておく必要があるわけです。
そして、次に取り組むシストレは、トライオートFX[PR]をやってみるつもりです。
トライオートFXも無料で口座開設でき、VPSも不要なのでVPSの費用もかかりません。また、取り組んだ結果を別記事で報告する予定です。
まとめ
ここまで、FXのシステムトレード(シストレ)という自動売買の方法について解説してきました。
シストレのメリットとして、不労所得に近い仕組みが作れること、トレードの際にネックとなる感情のコントロールが不要、24時間稼働するためエントリーポイントの見逃しがないなどが挙げられます。
一方で、シストレのデメリットとしては、急激な値動きの変化や想定外の値動きに対応できない、システムを手動で停止しなければならない場合があるなどが挙げられます。
FXのシストレとして、MT4やMT5というチャートソフトを使ってEAという自動売買プログラムを設定する方法とFX証券会社の専用シストレ口座を使って予め用意されている自動売買プログラムを選ぶ方法を紹介しました。
MT4やMT5を使う場合は、EAの選択や設定作業、バックテストやフォワードテストの確認、VPSの契約などが必要になります。
一方で、FX証券会社の専用シストレ口座を使う場合は、口座開設をすれば無料で利用することができ、過去の運用結果を参考にしながら、自動売買プログラムを選択するだけと設定が簡単です。
シストレは、急激な変動相場がきたときにいつかは破綻しますが、それまでに元本回収を何回できるかが肝で、破綻と上手に付き合いながら、資金を増やしていくことが運用のコツになります。
FX取引におけるリスクの説明と警告
FXはリスクのある取引になります。外国為替相場の変動などにより損失が生じる可能性があります。FXの取引をする前に投資の目的、許容できるリスク、過去のご経験など総合的な観点からご検討ください。
また、当ブログで提供している情報は必ずしも利益や効果を保証するものではありませんので、FXの仕組みやリスクを十分ご理解いただいた上、ご自身の責任と判断で取引いただきますようお願いします。