Google アドセンスを利用しているなら「アドセンス狩り」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
第三者が悪意をもって無効なクリックを量産し、Googleアドセンスのアカウントを停止に追い込む恐ろしい行為です。
アドセンスに限らずクリック報酬型広告を掲載している場合は、同様の被害に会う場合があり注意が必要です。
しかし、以前と違ってアドセンスも進化していて、悪意のある人物やロボットによる大量の無効なトラフィックが発生しても、自動で解析してくれて無効なクリックを検知しないようになりました。
なので、アドセンス狩りに会っても即アカウント停止にはなりにくくなっていますが、無効なクリックによる攻撃を放置しておくのも、万が一アカウント停止になるということがないとも言えませんので、好ましくはありません。
もし、アドセンス狩りによる攻撃がきても、アカウント停止のリスクを回避できるように、この記事ではアドセンス狩りによる無効なトラフィック対策について解説していきます。
WordPressプラグインを導入
多くのユーザーは、WordPressでサイトを運用しています。WordPressを使っているのであれば、WordPressプラグインを導入して対策することができます。
そのプラグインが『AdSense Invalid Click Protector』です。
AdSense Invalid Click Protectorは、1ユーザーが指定期間内に広告をクリックした数をカウントして、上限数に達したら指定した日数の期間クリックをブロックしてくれます。
AdSense Invalid Click Protectorの設定
WordPressの管理画面の左メニューにAdSense Invalid Click Protectorがあるのでクリックします。
AdSense Invalid Click Protectorの設定画面が表示されます。
Set the Ad Click Limit | 指定時間内に1ユーザーによる広告クリック上限数(初期値:3回) |
Click Counter Cooke Expiration Time | 広告のクリックをカウントする期間(初期値:3時間) |
Set the Visitor Ban Duration | クリック上限数に達した場合の制限解除までの日数(初期値:7日) |
Do you want to use the IP-API Pro Key | プロ版APIキーの使用の可否(有料オプション) |
Provide your IP-API Pro Key | プロ版APIキー入力欄(有料オプション) |
Do you want to block showing ads for some specific coutries? | 特定の国で広告を非表示するか否か |
Banned Country List | 広告を非表示にする国名を入力(ISO ALPHA-2国コードを入力) |
基本的には無料で設定できる上から順に3項目を設定しておけば大丈夫です。設定を変更したら[変更を保存]をクリックします。
ちなみに私の設定は、同一ユーザーが6時間の間に6回アドセンス広告をクリックしたら、7日間アクセスを遮断する設定にしています。
AdSense Invalid Click Protectorの状態確認
AdSense Invalid Click Protectorで無効なトラフィックをどれだけ遮断できたかは、WordPressのダッシュボードに状態が表示されますので確認することができます。
[Check All Bannd User Details]をクリックすると、制限をかけたユーザーのIPアドレスなどの情報を確認することができます。
広告配置にWP QUADSを使用する
アドセンスなどの広告配置に『WP QUADS』を使うと自動で広告が挿入できたり、タグだけで広告を挿入できたりと便利です。
WP QUADSをすでにインストール済で旧バージョンを使っている場合は[Switch to New Interface]をクリックすると新バージョンに切り替わります。
ちなみに旧バージョンの戻すときは[Return to Classic view]で戻ります。
WP QUADSの新バージョンには、不正クリック対策機能が実装されており、これをオンにすることでアドセンス狩り対策ができます。
[Settings]をクリックして設定画面を開きます。
[Click Fraud Protection]をオンにすると対策完了です。
横にある設定ボタンをクリックするとさらに細かく設定できます。
設定画面は以下のようになっています。
Allowed Clicks | 許容できるクリック上限数(初期値:3回) |
Click limit (in hours) | クリック数を計る時間(初期値:3時間) |
Ban duration (in days) | 制限解除までの日数(初期値:7日) |
Log IP of Blocked Users | ブロックしたユーザーのIPアドレスの記録の可否 |
設定値の入力が完了したら[Save Changes]をクリックします。
クリック率を確認して異常時はGoogleに通報する
Googleアドセンスの管理画面でページCTRの値を定期的にチェックしましょう。可能であれば収益の状況の確認と合わせて毎日確認するとよいです。
ページCTRを定期的に確認していたら、もし、無効なクリックが大量に発生したら、ページCTRが急激に上昇し異常値を示すので、通常より極端に高い数値が出たら、アドセンス狩りに遭っている可能性があります。
異常値が発生した場合は、Googleに通報して報告しましょう。
Google AdSense ヘルプ – 無効なクリックの連絡フォーム
報告の際により詳細なデータを取得する必要がある場合は、GoogleアドセンスとGoogleアナリティクスを連携しておくと各ページのアドセンスに関する数値を取得できます。
右クリック禁止プラグインを導入する
サイト上で右クリックすると「ページのソースを表示」を選択できます。
選択するとソースコードが表示できるので、ソースコードの中に記載されているアドセンスのコードを盗み見ることができます。
WordPressを使っているのであれば、プラグインを導入することで、右クリックでプルダウンメニューを表示させることを禁止することができます。
右クリックを禁止するプラグインは『WP Content Copy Protection with Color Design』になります。
このプラグインを導入することで、アドセンス狩り対策になるだけでなく、コンテンツの盗用の防止にもなります。
WP Content Copy Protection with Color Designを設定するには、WordPressの管理画面のメニューの[設定]の中にある[WP Protect]で出来ます。
WP Content Copy Protection with Color Designの設定画面です。
WP Content Copy Protection with Color Designプラグインを導入しただけで、右クリックは無効になりますが、右クリックされたときにメッセージを表示するかどうかを[マウスの右クリックを無効]で選択できます。(表示するメッセージも指定できます)
テキストや画像を範囲選択できるかを[テキストを選択]で選択できます。[はい]のチェックははずしておくことを推奨します。
[ログインユーザーを除く]と[管理者を除く]は[はい]にチェックを入れておいたほうが、記事を作成したり編集したりするときに便利なので、自分だけは右クリック等をできる状態にしておくとよいです。
[特定ページを省く]には、問い合わせフォームがある場合は、そのページIDを入力しておきましょう。
全部設定が完了したら[保存]ボタンをクリックします。
特定のIPアドレスをブロックして防ぐ
アクセス解析やログなどでアドセンス狩りをしているユーザーのIPアドレスがわかる場合は、そのIPアドレスをブロックするというのも1つの対策になります。
レンタルサーバーを借りているのであれば、サーバーの設定でIPアドレスを指定して拒否できる機能が備わっているレンタルサーバーも多いです。
そのほかにもセキュリティの設定で、国外IPアクセス制限やログイン試行回数制限などのような機能を搭載しているサーバーもあるので、セキュリティの設定がある場合は有効にしておきましょう。
アドセンスサイトを公に公開しない
アドセンス広告を貼り付けているサイトやブログをSNSやメール等で公に公開すると、アドセンス狩りのターゲットにされる場合があります。
実績を披露したい場合でも、サイトやブログのアドレスを公開しないほうがよいでしょう。
また、アドセンスを貼り付けているサイトやブログで、収益がほとんどない更新が止まって管理していない放置しているサイトやブログがあれば、閉鎖するかクリック保証型の広告をはずしておきましょう。
あと逆に、グーグルアドセンスに自分のアドセンスサイトをきちんと登録しておくことも忘れないようにしましょう。
万が一、ほかのサイトからトラフィックが発生したときに、自分の管理サイト以外からの無効なトラフィックである証明になります。
まとめ
アドセンス狩りの無効なクリック・トラフィック対策について解説しました。
アドセンスやクリック報酬型広告を利用している限りは、アドセンス狩りの標的になる可能性があります。
アドセンス狩りを未然に防ぐためにもこの記事で解説した内容で対策できるものはやっておくことが大切です。この記事で解説した対策は次のとおりです。
- WordPressプラグインを導入する
- 広告のクリック率を定期的に確認する
- 右クリックを禁止する
- 悪意のあるユーザーのIPをブロックする
- アドセンスサイトを無闇に公開しない
そして、最悪アドセンス狩りの被害に会った場合は、躊躇せずにすぐにグーグルに通報するようにしましょう。